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名古屋人ランナーのご当地な日々

走った自分へのごほうびとしてご当地スイーツ&グルメを食べまくる、ダメダメな40代ランナーの日常。

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箱根駅伝は小説で読んでもエキサイティングだ

11月に入り、早いもので今年もあと2ヶ月です。そして新年と言えばやっぱり箱根駅伝ですね!(気が早い)

昔は箱根駅伝にほとんど関心がなくて、家族が見ていても「何が面白いんだかな~」と横目で見ていたものですが、マラソンを始めたとたんに興味がわいて毎年中継を見るようになりました。ザ・現金☆

興味を持ちだしてからまだ日が浅いので、駅伝には箱根以外にも出雲駅伝・全日本駅伝があり、合わせて三大駅伝と呼ばれているということすらつい最近知ったばかりです。
10/13の出雲駅伝は台風で中止という残念なことになりましたが、11/2の全日本大学駅伝は天候が何とか回復して、無事開催されて良かった! せっかくの地元の大会だから沿道まで応援に行きたかったな~。


しかし真面目な話、自分が長距離を走るようになってみれば、駅伝の選手たちがどれほど速く走っているか、1区間20kmというのがどれほどの長さなのか、そして特に第5区・第6区の急な坂がランナーにとってどれぐらいハードなものか、実感を持って見ることができるようになります。

こうなると、ランナーとしてのレベルが桁違いとはいえ、出場する選手に勝手に親近感を覚えるようになりますよね♪(同意を求められても)

そうして箱根駅伝に興味を持った結果、駅伝もののフィクションにも手を出すようになりました。まずは箱根駅伝ものの金字塔ともいうべき作品、三浦しをん「風が強く吹いている」(新潮社)です。ていうか、他に駅伝ものの小説があるのかどうか知りませんが…
    


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あらすじ
超高校級の実力を持ちながら問題を起こして退部し、陸上界から遠ざかっていた長距離ランナーの走(カケル)は、大学入学後、金がなく万引きして逃げていたところを上級生のハイジに見出され、格安のボロアパート「竹青荘」に誘われる。脚の故障でやはり陸上界から遠ざかっていたハイジは、竹青荘の住人でチームを結成し、箱根駅伝に挑戦しようという計画を立てていた。

最初は乗り気でなかった住人たちも、ハイジの粘り強い説得や丁寧な指導で走る面白さに目覚め、補欠もない急造チーム、しかもほとんどが陸上未経験者やブランクのある選手ばかりという状況で、次第に箱根出場を狙えるだけの実力を身に着けていく。

一方、有名選手だったカケルには、過去に起こした問題のためにマスコミに追われたり元・同期生とトラブルを起こすなどの因縁がまとわりつくが…


この作品の見どころ。
まず見どころは、個性は強いけれどもマラソンに関してはほぼ素人の住人たちを、地道な指導で箱根を走れるまでに育成していく、そのRPGのようなレベルアップの過程でしょう。
 
このため、朝晩にジョギングやトレーニングしたり、時々大会に出て記録をチェックしたりという、言ってみれば地味な描写が中心になりますが、これが読んでいてぐいぐい引き込まれるような面白さで飽きさせません。

また、住人の個性の活かし方もうまいと思います。例えば、唯一スポーツ経験がなく運動音痴の「王子」は差のつきにくい1区、山育ちの「神童」は山登り区間である5区、剣道経験者で足腰の強い「ユキ」は下り区間である6区、といった具合です。

(ちなみにこの本は単行本と文庫版が出ていますが、単行本の装丁では箱根のコース図に対応する区間の走者のイラストが描かれていておススメですよ♪)
 
弱いながらそれぞれの持ち味を活かすことで強豪チームとも互角の勝負をする、というのはある意味スポーツもののお約束ですが、やっぱり胸が熱くなる展開です。野球で言うと映画「メジャーリーグ」や漫画の「ROOKIES」などに近いものがありますね。


ランナー(ヘタレ)への励ましの言葉の数々。
この小説には、まさに私のようなヘタレランナーのためにあるような名言が次々に出てきます。
  • ほとんどのスポーツが才能に大きく左右される中で、マラソンは最も努力が重視される競技である。
  • マラソンに向いている性格とは、一つのことをコツコツと続けられる粘着質さである。
  • マラソン走者に求められるのは速さではなく、強さである。

私は運動神経が鈍くてほとんどのスポーツがまったくダメです。でも、反射神経とかそんなに必要なくてただコツコツ走るだけならできるかもしれない!と考えてマラソンを始めて、運動神経がないなりにだんだんスピードも上がってきて、気が付けばフルマラソンにも出場したし、2年半という(自分的には)長い期間続けられているわけです。

マラソンというのは、まさに運痴にとっての希望の星のような競技だと思うんですよね。それだけに、最初の2つの言葉には我が意を得たり!と深くうなずいてしまいました。

特に3番目の言葉は深いですね。この「強さ」について、作中ではさらに「現役のトップアスリートより、高齢の市民ランナーの方が強いということもありうる」とコメントされていました。

レース中にどこかが痛くなってスピードが出なくなってもあきらめず、どんなにゆっくりとでも、最後まで完走目指してベストを尽くす。これは、記録や順位には結びつきませんが、間違いなく強さです。

他の選手に勝負を仕掛けたり駆け引きをしたりするためにも精神の強さは必要ですが、逆に周囲に惑わされずに自分のペースを保つという強さもあるでしょう。

「強さ」とは、結局は自分との戦いにおける強さということなんでしょうね。そもそも、どんなに鍛えていても、42キロという距離をそれなりのスピードで走るのは誰にとってもきついことです。この区間を走り抜くこと自体や、その体力を身に着けるためのトレーニングを普段から欠かさず続けることももちろん強さですが、そんなタフな競技に挑戦しようとする時点でかなりの精神力が必要だと思います。

ランナーとは、走ることに挑戦しようとした時点ですでに相当強いのです。
 
 
余談ながら。
一応、この本にもツッコミどころはあります。何しろほとんど素人ばかりのチームが、1年経たずに箱根駅伝に出場できるレベルまで成長するわけですから、「まるでファンタジーだ」という批判もあったという話ですが、まあその辺は言うだけ野暮でしょう。

そもそも、練習やレースなどの描写が非常に丹念で緻密に組み立てられているので、登場人物の成長が早すぎる点は読んでいてほとんど気になりませんでした。

むしろ私がツッコミを入れたいのは以下の2点です。

  • カケルの万引きの件。中盤、万引き犯を走って捕まえてお店の人に感謝され、新聞にも載って話題になるシーンがありますが、そもそもカケルは最初のシーンで、お金がないからといってコンビニ等で万引きを繰り返し、しかも店員さんを走ってまいていたという描写があります。
    そういう子が万引き犯を捕まえたからといってほめられたり有名になったりしてええんかいな。ちゃんと謝りに行って弁償して来なさい! おばさん許しませんよ!
     
  • 上にも書いた通り、竹青荘チームの中で一番鈍足なのは1区走者の漫画オタクの「王子」ですが、この人、トレーニングを開始して1ヶ月もしないうちに5キロを30分ちょっとで走っています。こういう人を運動音痴とは言わないでしょ…2年半もランナーをやってて、10キロ1時間を切るのがやっとの私の立場はどうなるんですか…
    しかも、春にトレーニングを始めて、夏には5キロ17分以内という記録を達成してるんですよ?


でも不満を感じるのはその2点だけで、あとはとても楽しめる本でした♪ 小出恵介・林遣都主演で映画化されているので、一度ぜひ見てみたいです。

調べてみると漫画にもなっているらしいですね! こちらも要チェックだな…
 

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けだま
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女性
趣味:
マラソン、食べ歩き、読書
自己紹介:
マラソン歴…約3年。
年齢…40代。
目標…サブ4.5!
名古屋ウィメンズマラソン2015のPRランナーとして始めたブログです。
2016年大会では年齢制限が厳しくなったため(悲)PRランナーになれませんが、引き続きマラソン・スイーツ・ご当地キャラなどの名古屋情報をアップしていきます。

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