名古屋人ランナーのご当地な日々

銘菓「ひよ子」ほど物議をかもすお菓子を私は知りません。


そもそもこれは福岡銘菓なのか東京銘菓なのかという点から論議の的なわけですが、最大の問題は食べ方。以前、中島らもの「明るい悩み相談室」に寄せられた質問の中で、特に印象に残っているものがあります。
 

「ひよ子を食べる時、妹はいつも頭を避けてお尻から食べ始め、最後に残った頭を絶望的な目で見つめています。私は最初に思い切って頭から行きますが、非常に罪悪感を感じます。こんな私たち姉妹にひよ子の清く正しい食べ方を教えてください」

…その気持ち、非っっっっ常によく理解できます。私はこのお姉さんと同じで、目をつむって一気に頭から食べる方ですが、そうやって早くカタを付けようと努力している横でいい年こいて「ピィ～！」とひよ子の断末魔の声を聞かせてくれる奴とかいますしね(-д-#)

ですが、名古屋にはひよ子以上に食べ方がやっかいなお菓子が存在します。はい、名古屋近辺にお住まいの方ならすぐピンと来たでしょう、青柳総本舗の「カエルまんじゅう」です。

このおまんじゅうは名古屋土産としてはかなりメジャーな方だと思いますが、逆に地元民はあまり食べないんじゃないでしょうか。少なくとも、私は今まで食べたことがありませんでした。

秋から冬にかけては、期間限定でサツマイモあんバージョンも販売されるんですが、これも今までまったく知りませんでした…灯台下暗しですね。通常版が3個270円に対し、サツマイモのは3個324円とやや高めに設定されています。

パッケージにはラブリーなカエルの顔が描かれています。


こちらがパッケージの中身。ごらんの通り、カエルの頭部だけをかたどった形状をしています。


香ばしいバターの匂いのする生地の中身は、ハチミツ風味の濃厚な甘さで、なおかつさらりとした口当りのこしあん・サツマイモあんが入っています。


…ってこの時点でかなり猟奇的なんですが。これではほとんど人間植木鉢です。のどかな顔をしたお菓子が、多重人格探偵サイコの世界に片足つっこんでます。


上記の通り、皮もアンコもおいしいですし、日持ちが20日ぐらいあることもあって、食べ方をどうするかさえ考えなければ非常におすすめのお土産なんですが、たいていの人はここで食べる気力をくじかれるのではないでしょうか。

ひよ子の場合は頭から行くかお尻から行くかというジレンマに悩まされるのですが、カエルまんじゅうの場合はジレンマ以前の問題です。何せ頭 し か な い ！


いや、待ってください。いっそ一口で丸のみにしてしまえば、酸鼻な状態になるのは避けられるのではないでしょうか？


…無理でした orz

冷静に考えればカエルまんじゅうの直径は約5センチ、高さは最大で約3.5センチ、一口で食べるのはどだい無理な話です。風来坊のマッチ箱と比較してみればそれがよく分かります。


ていうか、これでは平和なカエル村がヒグマに襲われた後の惨状としか思えません(TДT) そんな恨めしげな目で見ないでください…


そう言えば、ひよ子の食べ方には「頭から」「お尻から」の他にも派閥があったのを思い出しました。「2つに割る」です。何となく、頭を半分かじられるよりは残酷度が小さそうな気がしますね。


ぎゃあああああああ！！

さっきのスライスは多重人格探偵サイコでしたが、この半分割りはもはやシグルイの世界です。それも「うどん玉のごとく大脳がこぼれた」瞬間の虎眼先生です。


いや、予定ではアンコの部分がもっときれいに割れるはずだったんですが、意外にアンコの腰が強くて残念な結果に…


とにかくどんな食べ方をしようと、どうあがこうと無惨！ 「む～ざん む～ざん」とシグルイ世界のわらべ歌が聞こえてくる勢いです。カエルまんじゅう恐るべし。

さすがにひよ子の食べ方の第4の派閥「皮をはぐ」は挑戦する前に心が折れました。それをやったら、たぶんシグルイを通り越して切り裂きジャックの世界になってしまいます。


というわけで、味といい日持ちといい、ネタ性といい、とにかくいろんな意味でおすすめの名古屋土産であることは間違いありません。

今回私はエスカ地下街で買いましたが、本店は大須にありますし、たいていのキオスク、地下街、デパ地下などで手に入りますのでぜひ「清く正しい食べ方」にチャレンジしてみてください(^_^;



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青柳総本舗 本店【名古屋市中区】
アクセス：地下鉄大須観音駅 2番出口から徒歩約3分。[地図]
営業時間：10:00～18:30
イートイン：あり

青柳総本舗 エスカ店【名古屋市中村区】
アクセス：名古屋駅新幹線口地下 エスカ地下街 [地図]
営業時間：9:00～20:30
イートイン：なし

URL：http://www.aoyagiuirou.co.jp/